私たちが大切にしている“思い”


 「NPO 富里のホタル」が発足して18 年目にはいりました。
 地域の方々、ご支援してくださった方々に支えられ、少しずつ着実に実績を積み重ね てくることが出来ました。これまでのご指導、ご厚情に心より御礼申し上げます。

 私たちは「ほたる舞うふるさとを次世代に」をスローガンとして発足以来18 年活動を続 けてまいりました。これからも活動の幅を広げ、地域に浸透し、永く継続していける団体 となるために、大切にしている2つの”思い” があります。

 ひとつはホタルの保護と里やまの環境づくりに対する”思い” です。
 私たちはこれまでもこの地で生き続けてきたホタルの保護に重点を置き、ホタルが棲み 続けられる環境づくりに専心してきました、ホタルは里やまの長い歴史の中でつくられて きた独自の生態系の絶妙なバランスの中で生きてきました。従来あった里やまの環境にホ タルが適応し、里やまの人々の営みと共に今日まで歴史を刻んできたと言えます。しかし 多くの識者が指摘するように、かつてあった里やまがその姿を大きく変えてしまった現在、 身近にいたメダカ、カエル、ドジョウ、そしてホタルなどの生きものたちの減少につなが っています。その観点から、日本各地に当たり前のようにあった里やまの生態系に近い環 境を整え、維持することが、もっとも確かなホタルの保護だと考えています。
 私たちも里やまの一員として、受け継がれてきた先人の知恵や文化を畏敬をもって受け 取り、長い歳月を経て築かれてきた絶妙な里やまの生態系を大切に守り、その一方で気候 変動、人工照明、水質の変化、外来生物など近年になって生じている懸案事項への対応を 試行錯誤しながら考えていく、これが私たちのホタル保護と環境づくりに対する”思い” です。「ほたる舞うふるさと」が永くこの地に継続していくことを願っています。

 2つめは、私たちの活動のあり方への”思い”です。
 それはどのような存在であり続けたいか、という問いかけでもあります。
当会が発足して以降、多くの方々との交流とりわけ世代間、特に子どもたちを含む若 い方々との交流に力を入れてきました。それはこの活動が何十年先も継続し発展していく ことを願っているからです。私たちの考えていること、続けていきたいことを、教える・ 指導する・啓蒙するといった姿勢よりも、出来るだけ自然な形で無理なく浸透させていけ たら理想的だと考えています。
 しかしながら活動のあり方への“思い” を上手く表現する語彙を私たちは持ちません。 色々な”思い” が重なり入り乱れて、的確な単語や文章で表現できないからです。ただ強 いて絞りだすなら、
 ”多くの方々の記憶に残り続ける、絵であり、詩であり、歌のようでありたい” これが私たちの活動のあり方へに対する”思い” です。

 上記の”思い”を胸に活動を続け、未来の仲間たちに繋げていきたいと考えています。

-2025.04.01.- 山ア卓(理事長)